ノーマルバイクで打倒TTバイク挑戦日記

ノーマルバイクでTTバイクを超える事が目標 ノーマルバイクでの究極の走りを求めて試行錯誤をした結果を書いていく ウーバーイーツやってるのでその事も書いていく

TTの基本『遅く走らない』のもう1つの意味と『限界速度理論』

タイムトライアルで良い結果を出すにはペース配分が重要となってくる。


スタート直後に一気に加速したは良いが、それにより脚を急激に消耗、途中でバテてしまいヘロヘロになりながらゴールした……なんて事はタイムトライアルに慣れていない人はよくやってしまう事だ。1つのミスが致命的となるタイムトライアルレースのスタートは他のレースと比べて異様に緊張するのでスタート後、抑えが効かなくなってしまったりする。


自分もスタート直後に一気に加速して脚を消耗して中弛みしてしまう事は良くあった。先日JBCF渡良瀬TTのコースを走った時もそうだった。しかしあらかじめこれ位の時間・距離ならAve○km/h出せると分かっていればスタート直後に脚を使ってしまう事は無くなる。未知とは過剰に緊張してしまう要素の1つだ。事前に準備をし、自分の力をわかっているのであれば、緊張してオーバーペースになるのを防ぐ事は出来る。要するに事前にレース本番を見据えて同じ距離・時間を走っておいた方が良いと言うことだ。


今まで色んな場所でタイムトライアルをしてきたが、アップダウンやコーナーが無く、無風の時のペース配分は一定速度・出力で走るのがベストだと思っている。


アップダウンや風があったりして速度にばらつきが出てしまう場合はなるべく『遅く走らない』ようにして速度のばらつきを無くすと良い。下りや追い風の時は脚を若干緩め、上りや向かい風の時は頑張る。


遅く走らない』の言葉はこのシクロワイアードの記事を見て初めて知った↓

速さのロジックが披露された西薗良太の講演会 「全日本選手権を制した秘訣とパワートレーニング、バイク開発」 - 西薗良太講演会inシルベストサイクル | cyclowired


この言葉を知って以降、タイムトライアルレースに出る時はこの『遅く走らない』を基本にペース配分を考えるようになり、その結果走りが安定するようになった。


つい最近になってこの『遅く走らない』にはもう1つの意味がある事に気がついた。遅く走らないのもう1つの意味『速く走らない』について書いていく。

 

 目次

 

 

遅く走らない=速く走らない

なぜタイムトライアルで『遅く走らない』事が良い結果に繋がるのか今まで深く考えた事が無かった。シクロワイアードの記事にも詳しくは書かれていなかったし、検索しても良い記事には出会えなかった。


ただ考えてみたら答えは単純だった。空気抵抗は速度の2乗に比例する。すなわち速度が上がれば上がる程空気抵抗は増えていく。

 

必要動力計算機→自転車動力 計算器 - 自転車探検! を使って調べてみたが、速度が30km/h、40km/h、50km/hからそれぞれ1km/h速度を上げる場合、各速度で必要となる出力が大きく違ってくる。


30km/hから1km/h速度を上げる為には出力を10W程上げるだけで済むが、40km/hからだと20W程で50km/hからだと30W近くも出力を上げなければならない。たかが1km/h上げるだけでも各速度で出力に雲泥の差が出てくる。


以上の事から下りや追い風の時には平均出力よりも若干抑えて走り、その分上りや向かい風の時に頑張って走った方が、トータルで考えて空気抵抗を減らす事が出来ると言える。『速度は速すぎても良い事は無いのだ』。これが『遅く走らない』のもう1つの正体『速く走らない』である。


自分は『遅く走らない=速く走らない』とわかった時、ペース配分の考え方が一気に広がった。その結果、新しい考え方が生まれた。ヘアピンカーブや直角コーナーのあるコースで特に有効となるペース配分の考え方……それが『限界速度理論』である。


限界速度とは?

自分は今年の4月にあった大磯クリテリウムのミディアムクラスに出る際、過去にあったエリートクラスやその他のクラスの動画を何十回も見て最速で走れる走行ラインを学んだ。それと同時にストラバで色んな方の走行ログを拝見し、どれ位の速度で各コーナーに突入しているのかを分析した。


動画やストラバのログで色んな方の走りや速度を見ていく中で、1つ気になった事があった。


各コーナーの突入速度は何km/h迄なら落車せずに曲がりきれるのだろう?


当たり前だがブレーキをかけると速度は落ちてしまう。減速し、その後加速して元の速度に戻すのにも無駄にパワーを消費してしまう。速さを求めるのであればノーブレーキで走り続ける事が理想だ。


しかし、大磯クリテリウムのような道幅が狭いヘアピンカーブがある場合、どうしてもブレーキをかける必要が出てくる。平塚コーナーならまだしも、小田原コーナーを一般的なレースの巡行速度である40km/h程で突入した場合、曲がりきれずその先にあるフェンスに激突してしまうだろう。


自分がミディアムクラスを走った時は、平塚コーナーは最速42km/hで突入、小田原コーナーは最速32km/hで突入していた。エリートクラスだと平塚コーナーはアタックがかかった時で最速で50km近くで突入、小田原コーナーは最速33km/h程で突入していた。


限界速度とは『これ以上の速度でコーナーに突入した場合高確率で落車してしまう速度』の事を言う。要するに限界速度とはコーナー突入の際、最速かつ安全マージンを考慮した『超えてはいけない速度』の事である。もちろん各コーナーの道幅等によって限界速度は変わってくる。


どうせコーナーで減速しなければならないのだがら、その前の区間で速度を上げすぎるのは無駄な行為だ


自分はこのような考えを抱き、TTの基本『遅く走らない=速く走らない』を考慮し編み出したのが『限界速度理論』である。


大磯クリテリウム個人タイムトライアルでのペース配分シミュレーション

例として、大磯クリテリウムの個人タイムトライアル(約1km×2周)を最速で走る場合、どのようなペース配分をすれば良いのか考えてみる。


風は無風とし、約2kmのド平坦コースをAve47km/hで走れる自分をベースに書いていく。

f:id:jbcf6000-r-s:20190727204156j:image
↑大磯クリテリウムのコースは1周約1kmで道幅の広い平塚コーナーとその後のシケイン、そして道幅の狭い小田原コーナーがある。バックストレート(スタート・ゴール側)は斜度0.5%程の上りでホームストレートは斜度-0.5%程の下りとなる。順番としてはバックストレート→平塚コーナー→シケイン→ホームストレート→小田原コーナーとなる。


まずは各区間での限界速度を出していく。


限界速度の出し方はとても簡単だ。ストラバで大磯クリテリウムのセグメント上位者のログを見て各区間の突入速度をそのまま参考にすれば良い。


平塚コーナーの限界速度は50km/h

シケインの限界速度は45km/h

小田原コーナーの限界速度は33km/h


各区間の限界速度がわかったら、自分の出せる速度を考慮し、そしてTTの基本『遅く走らない=速く走らない』を踏まえて各区間でどれ位の速度で走れば良いのか考えていく。


もう1度ど繰り返すが、ブレーキをかけると速度が落ちてしまうので、速さを求めるのであればノーブレーキで走り続ける事が理想である。Ave47km/hで走れるのであれば、ずっと47km/hで走れるのが理想だ(直線区間の斜度は0.5%程なのでほぼ平坦と考える)。しかし限界速度を超えてコーナーに突入すると曲がりきれず落車してしまうので、『自分の出せるAve速度が各コーナーの限界速度を上回っている場合はそれ以下の速度で走らなければならない』。


スタート直後にある平塚コーナーの限界速度は50km/hなので2周目に入って突入する時も特に意識する必要は無い。47km/hで突っ込んでOKだ(個人タイムトライアルの時は平塚コーナー手前にカラーコーンが置かれて道幅が狭くなるが、今回はそれを考慮せずに考えていく)。


その後待ち構えているシケインの限界速度は45km/hと47km/hを超えているので、45km/h以下になるよう速度を調整する。ちなみに平塚コーナーを47km/hで突っ込んでもコーナーリング中はペダリングしないので、コーナーの立ち上がりでは速度が落ちている。大体42~43km/h位か。立ち上がりでの加速は最小限に止め、走行ラインを間違わないように、そして多少脚を緩めながらクリアしていくのが無難だと言える。


シケインをクリアしたら斜度-0.5%のホームストレートとなる。この区間はTTの基本『遅く走らない=速く走らない』のセオリー通り脚を緩めながら走っていく。速度は47km/hを超えない位で走り、次の区間の為に脚を貯めておく。どうせその後の小田原コーナーで限界速度33km/h以下まで減速しなければならないのだがら、頑張って速度を上げても無駄脚となる


小田原コーナーの限界速度は33km/hなのでブレーキをかける必要がある。コーナー突入直前に強くブレーキをかけると身体が前に吹っ飛ぶ可能性があるので、ゆとりを持って早めにブレーキをかけた方が良い。コーナーリングの基本は大きく弧を描いて曲がる事だ。シケイン後の下り区間は直ぐにアウト側を走っておくとコーナー突入のタイミングを測りやすい。常に次の区間を見据えて走る事が重要だ。コーナーの立ち上がりは速やかに加速する。


小田原コーナーをクリアしたら斜度0.5%のバックストレート区間を経てスタート地点に戻ってくる。このバックストレートは大磯のコースで一番の頑張り所となる。平均出力の10~20%増しで走っても47km/h以上は出ないと思う。そして2周目も同じように各区間をクリアしていき、最後のバックストレートで出しきる形が理想だと言える。Ave44km/h程で走れれば上出来と言った所か。次回大磯クリテリウムの個人タイムトライアルに出る時はこの速度を目標にするとしよう。


今回2分間Ave47km/hで走れる自分をモデルにして書いたが、Ave40km/hの人でも考え方は同じだ。もう一度書くが

自分の出せるAve速度が各コーナーの限界速度を上回っている場合はそれ以下の速度で走らなければならない

これが原則となる。


ちなみにパワーに関してだが、アップダウンやコーナーのあるコースの場合はAPがド平坦コースの時より低く出ていてもNPがド平坦コースを走った時と同じ位出ていれば良いと考えている。

 

基本的に自分はパワーではなく速度をベースにペース配分を考えている。なぜなら同じパワーでもポジションによって空気抵抗が変わり、その結果速度が変わってしまうからだ。パワーは当てにならない。速度こそが重要だ。

 

まとめ

タイムトライアルはまぐれの起きない残酷な競技と言える反面、研究すればするほどちょっとずつ確実に速くなっていく競技だ。


脂っこい食べ物は消化・吸収されるまでに時間がかかる。それと同じで、難しい知識や技術も消化・吸収され、そして自分の血肉となるまで時間がかかる。


自分はロードバイクに乗り始めて5年半程が経つ。5年半かけてこの境地にたどり着いた。しかしまだ、自分は今の自分に満足出来ていない。


今回自分の速さに対する考えの全てを書いてみたが、これが絶対的な正解だとは思っていない。


もっと速く走れるはずだ。もっと良い考え方があるはずだ。今の考えに囚われず、日々思考を巡らし、試行錯誤を繰り返していく。自分自身が心の底から満足するその時までーー。